canvastown

ニュージーランド南島のマルボロ地区には「キャンバスタウン」と呼ばれる町がある。19世紀半ば、地元の主婦が川に洗濯をしに行った際、金の塊を発見。この話題はあっという間に広がり、小さな田舎町には5000人ものゴールドハンターがテント(キャンバス地の)をかついで金を探しに押し寄せた。そして、いつしかこの田舎町はキャンバスタウンと呼ばれるようになった。

ドジョウすくいならぬ、金すくいだ・・・。

それでも残っている記録によると1864年には1271kgの金が採れたというから驚く。やがて川底の砂金や金塊をすくい終えると、今と同じような方法を使わざるを得ない。岩を削り出し、粉砕して金を探す・・・、にはコストもかかるし、ゴールドハンターでそこまでの機具は持ち合わせていなかった。そして、いつしかキャンバスタウンは“かつて”ゴールドラッシュがあった場所として記憶されていった。

そんなキャンバスタウンだが最近、アメリカのエレクトマイニングという会社が採掘権申請を地元政府へ出した。今度は川ではなく、農場で金脈が見つかったようだ。埋蔵量は3000kg、現在の金相場でおよそ100億円相当と言われている。小規模な金鉱ではあるが、それでもかつてゴールドラッシュがあったエリアで再び、というのが面白い。

歴史は繰り返す、というのはあながち単なることわざではない。紙幣の価値が希薄化されている昨今、金の重要性は何千年前と同じように高まっている。

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