この連載は、金の投資を初めて行おうとしている方に金投資のメリットとリスク、そして上手く投資を行う方法などについて、全く未経験の初心者の方を対象に解説します。

金投資は他の投資をどうちがうのか?これまで株くらいしか投資したことがないという方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。

【金の投資にはどんなものがあるのか? ~日経平均】

第1回目は、金の投資はどんなものがあるのか?についての解説です。

金の投資は信用の上に成立している株式と異なり、実物(金)への投資が中心です。金を売ったり買ったりすることで、利益を得ます。もちろん、金の実物を担保とした、金融商品もあります。

(金投資にはどんな種類があるのか)
金投資にはどんな種類があるのでしょうか。金と言えば、「金の延べ棒」、「金塊」のイメージがまず頭に浮かぶとおもいます。大雑把に金投資には2つの種類があります。

1つ目は、現物(地金)の購入です。先ほど述べた金の延べ棒や金貨、本サイトを運営しているBuliion Vaultも地金を扱っていす。

2つ目は、金の金融商品です。テレビCMでもおなじみの「純金積立」 や 上場株式と同じ扱いができる金のETFあるいは、金のファンドなどです。
かつて、地金の購入は取り扱い会社の店頭で購入し、販売手数料を払い、保管を委託し・・という流れでした。金を売買して儲けるというイメージよりも、資産家が現金を「金」に変えて、政変による混乱や経済混乱、戦争などといった「万が一に備えるために所有しておく」、という意味合いが強かったようです。

しかし、いまでは、Bullion Japan(https://bullionjapan.jp/)をはじめとした地金取引専門会社や証券会社などのサイトで、容易に売買できるようになりました。また、Bullion Japanのように、少額の取引でも行うことができ、手数料、保管料などが格安な取引会社も登場し、地金取引は一部の富裕層だけでなく、身近なものとなりました。

(金価格の特徴)
金は、安全資産と呼ばれており、不況時や例えば世界のどこかで戦争が起こった時などの有事に強い資産として知られています。また、通貨は信用の上に成り立つものですから、どこかの国でハイパーインフレが行ったときなどにも、敏感に反応します。(価格上昇に向かいます)

そのため、大きな資産を持っている投資家は、株式などの金融資産におけるリスクを回避するために、一定の割合を金というリスクに強い資産に振り分けているようです。

報道にもあるように、金の価格は近年、かなり上昇しています。世界的な情勢不安のためなのか、他にも理由があるのか、憶測は様々あるようです。しかし、「今は、高すぎるよ」という意見と「まだまだ、これからも上昇するよ」という見解があり、金をリスク回避のための資産と見るならば、世界各地での近年の情勢不安は、どうも収まる気配はなく、この先も価格が上昇するという見方の方が大勢のようです。

(日経平均との相関)
第1回目の最後に、金の価格と日経平均の相関を見ておきましょう。金価格の指標はいくつかありますが、ここでは、世界の金相場の指標であり、経済指標にも使われているNew York 金(先物)の数字を使います。

図1ーyoshizaki

2012年1月から2017年5月までのNY金価格と日経平均を示したものです。
このグラフの細かい解説はここでは行いませんが、グラフの関係性に注目してください。日経平均が上がると金相場が下がる、そしてその逆も起こっています。関係性を示す相関係数は、-0.92となっています。
相関係数は、2つの数字の関係性を数字で示したもので、-1~+1で表します。プラスは正の相関で、+0.7以上は強い相関、一方が増えればもう一方も増える、減る場合も同じです。0.7以上は強い、0.4~0.7はやや強い・・と読みます。逆に-の場合は負の相関で、片方が増えるともう片方は減るとなります。

日経平均と金の価格にはかなり強い逆相関があることが分かります。こうしたことから、株式資産のリスクヘッジ資産として有用なことが見えてきます。

吉崎誠二
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