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2016年の金と銀価格の急騰は、2013年の相場急落以来最多の個人投資家を金・銀の投資へと向かわせた。

  • ブリオンボールトの個人投資家の金保有量は8トンへと増加し、世界49位のペルー中銀を上回った。
  • 価格の急騰により、既存の顧客の利益確定も進んだ。

2016年5月2日ロンドン: 2016年の継続的な金・銀相場の上昇は、2013年春の相場急落以来の、多くの個人投資家を金・銀投資へと引き込むこととなったことが最新のブリオンボールトの金投資家インデックスによって明らかとなった。

しかし、ドル建て金価格は4月に過去14ヶ月で最高値を記録したことからも、既存の顧客の利益確定も進んだ。そのため、4月のブリオンボールトの金投資家インデックスは、過去8ヶ月で最高となった3月よりも多少下げることとなった。

それは、4月に新たに金を購入した顧客数と金を追加した既存の顧客数の伸びが、金を売却した顧客数を劣ったことから、金投資家インデックスを53.3と3月の53.8から下げたのだった。

この数値が50の場合、月間のネットの購入者数と売却者数が完璧に一致したことを示す。

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なお重量においては対照的に、ブリオンボールトのユーザーは、昨年6月以来の最高水準の金を保有する事となった。その保有量は前月から0.4トン増の34.8トンと、世界の中央銀行の金準備量で49位のペルーを超えることとなった。

またこの金の保有量は、世界の77の金の上場投資信託(ETF)のうちの10銘柄を除き、その金ETFを裏付けした金の量を上回っていることとなる。

「2016年1月からの4ヶ月間は、2013年4月から7月の金価格急落以来の高い水準で、新規顧客数が増加することとなった。」とブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュはコメントしている。

「価格が上昇するに連れて、過去3年間によく見られていたバーゲンハンター的購入から、信用リスクや株式市場の低いリターン、更には効果を見せることのない主要中央銀行の金融政策から逃避するための、新たな投資家の傾向が見られるようになってきた。」

「2016年の新規顧客数は、過去3年間の4ヶ月間の平均を30%上回っている。もし2月と3月の新規顧客の急増がなければ、4月の新規顧客数は2015年1月以来の高い水準となるはずだった。」

4月の銀価格の16%の上昇は、2015年1月の金価格の急騰に相当する。そのため、銀売却者数が増加し、購入者数も減少したことから、銀投資家インデックスは50.5と、3月の52.2から大きく下げることとなった。

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しかし重量においては、金同様に銀も保管量を10トン増加させて562トンと記録を更新し、昨年7月以来の大幅な増加量となった。

なお、ブリオンボールトの銀投資サービスが2010年1月に開始されて以来、ブリオンボールトユーザーによる銀保有量は、前月比で減少していない。

以上

 

 

 

 追加情報

金投資家インデックスについて

ブリオンボールト社の「金・銀投資家インデックス」は、個人投資家向けオンライン金・銀現物所有サービスにおいて世界最大のブリオンボールト社が所有するデータを基に算出されている。これは、24時間運営されているブリオンボールト社の市場でユーザーによって売買された取引データである。この指標が50を超えた場合、その月の金・銀のネット購入者数がネット売却者数を上回ったこととなり、個人投資家が金・銀投資に対して強気姿勢であることを意味する。このインデックスの詳細は、ロンドン貴金属市場協会発行の雑誌「Alchemist」の2013年5月号の記事(英語)を参照。

ブリオンボールト社について

ブリオンボールトは、金・銀地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業であり、現時点で6万人を超える183ヵ国の顧客が利用している。

89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住するブリオンボールトの顧客によって保管されている金地金の評価額は、現在約14億ドル(約1540億円相当)であり、これは、多くの中央銀行が保有する金備蓄量を上回る。それに加え、3億2300万ドル(約350億円)の顧客の銀地金を保管している。

 

毎週4500以上の注文を扱い、2015年の売上高は前年比10%増の3億7500万ポンド(約625億円)となった。

同社は10年前に企業家のポール・タスティンによって、金投資家のニーズを満たすために設立され、下記サービスを提供している。

  • オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
  • 米国ドル・ユーロ・英国ポンドによる即時決済。
  • 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
  • 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。

ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。2010年6月には、金の業界の市場開発団体である、ワールド・ゴールド・カウンシルと、RIT Capital Partner Plc (LSE:RCP)の資本で運営され、IT会社へ投資を行うAugumentum Capitalが、ブリオンボールトに資本参加を行い、それぞれ11%の株を所得している。

そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引部門で2度目の受賞をしている。また、英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされた4社の内の1社であり、ブリオンボールトによるサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。