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 昨年一年間、金価格は緩やかに下降を続けてきた。直近の金価格はその生産コストに近い水準にまで下落し、底値を打とうとしている。

 世界的な株価の低迷や東欧・中東における情勢への不安、金を大きく買い越してきた中国の失速と相まって、金価格の大幅な上昇の可能性が指摘されはじめた。

 1月4日のBullionVault金現物市場、ニューヨーク金先物相場は数週間ぶりの大きな価格上昇をみせ、安全資産への回帰を予感させる象徴的な値動きを示している。

 Bloombergの電話インタビューに対しザナー・グループ(シカゴ)のシニアバイスプレジデント、ピーター・トーマス氏は、「中東情勢が激化すれば、金は今後2-3週間のうちに昨年の下落分すべてを取り戻す可能性がある」と指摘しているが、これは氷山の一角に過ぎない。

 現在の株価水準は直近5年間において最低といえる価格水準を推移している。これは現在の金の生産コストにかなり近い水準で、これ以上の大幅な金価格の下落は可能性が低く、同時に大きな反発を生む可能性を秘めていると言えるだろう。

 先の見えない暗雲たちこめる世界経済において、安全資産・逃避資産への資金流入は今後加速し、ここ一年の金価格の低迷を吹き飛ばすような大幅な価格上昇を引き起こす可能性は否定できない。