バークレイズ銀行PLCが2012年から運用を開始した、ロンドンの貴金属専用金庫。建設完成までには1年の歳月を費され、合計2000tの金、銀、プラチナ、ロジウムを保管できるものでした。実はロンドンにおいて銀行が自前で貴金属専用金庫を備えているのはイングランド銀行、HSBC銀行、JPモルガンチェイス銀行、ドイチェ銀行、そしてバークレイズ銀行PLCとほんの一握りなんです。
そんなバークレイズ銀行PLCの貴金属専用金庫が、ICBCスタンダード銀行(中国商工銀行が南ア・スタンダード銀行の英国子会社発行済み株式6割を取得)によって買収されることが決まったようです。Bloombergが報じたところによると契約の正式締結は7月だそうですが、既にロンドン・ブリオン・マーケット協会から「マーケットメーカー」の認定を取得済みだそうです。
バークレイズ銀行は主要ビジネス以外のリストラを推し進めており、貴金属専用金庫の買収はその一環だと見られています。なお、貴金属専用金庫の譲渡金額は明らかになっていません。稼動からたった4年で手放してしまうことは惜しいように思われますが、ICBCスタンダード銀行による金の現物市場への本格参入には要注目です。
なお、ICBCスタンダード銀行の法人顧客数は400万、個人顧客は4億1000万です。