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 イスラエル北部に位置する、ガリラヤへハイキングに訪れたローリー・ライモンさん、という女性が約2000年前の金貨を拾ったそうです。はい、“発掘”ではなく、草のなかから顔をのぞかせていたと言うのです。しかもこの金貨、同じものはまだ1枚しか見つかっていない、超レアもの。

 イスラエル考古学庁の調べによるとローマ帝国初代皇帝、アウグストゥスを称えてトラヤヌス皇帝がAD107年に作らせたものだそうです。ただ、ガリラヤでこれまで金貨が見つかったことはなく、研究者を悩ませているそうです。

 ひとつの仮説はローマ帝国時代、ユダヤ人によるバル・コクバの乱があったことから、この地を守ったローマ帝国兵士への報償だったのではないか、と言われています。なんでもガリラヤではローマ帝国支持者が多かった、という背景があるそうです。

 そしてもうひとつの仮説は、当時の兵士への給与として渡された可能性です。なんでも銀貨や銅貨が不足した場合、金貨で支払われることもあったそうです。実際、ガリラヤでも銀貨や銅貨は多数、出土しているそうです。

 ただ、“高額”ゆえに商人からはなかなか受け取ってもらえなかった、と考えられています。日本でも記念金貨がたまに発行され通貨としての有効性をもっていますが、額面10万円単位の金貨を商店街で使おうとしたら・・・、嫌がられますよね。

 大英博物館に1枚しか現存していなかった、アウグストゥスを称えた金貨。イスラエルの博物館でもお披露目される日は近いのでしょう。これからはハイキングをしているときは、下に落ちているものに目を凝らすことにしようと誓った筆者でした。

イスラエル考古学庁でのニュース記事