(※)画像は、DRDゴールド社が採掘を行っていた2008年当時の写真
2013年に操業を停止した南アフリカ・ヨハネスブルク南西に位置する金鉱山、ブリブールツィヒト。1936年に操業したブルブールツィヒトですが、77年の歴史に幕を下ろしたのは突然のことでした。そもそも「ブリブールツィヒト」とは南アフリカの公用語、アフリカーンス語で「喜ばしい見込み」を意味しています。しかし、同鉱山がDRDゴールド社によって清算された2013年以降、鉱山跡地に残された設備の略奪・破壊で荒れ、住民はこの地域を“戦地”と呼ぶほどに。
そんなブルブーツィヒトを復活させる、という計画を打ち立てたのがアメリカ・ニューヨーク大学を卒業したバスティアット・ビルジョーン、とデイン・ビルジョーンの兄弟。なんでもブルブーツィヒトにはまだ900万オンス(現行価値で約1兆2000億円相当)が眠っていると踏んでいるそうです。
このプロジェクトには南ア鉱山業界で露天掘りをもたらしたピーター・スキートが一部出資、と信用力を担保させています。ビルジョーン兄弟が立ち上げたのは「ランドロード・コンソリデーテッド・マインズ」。スキートのほかにアフリカンダー・リース社、ミンテール社、ギャラクシー・ゴールドマイニング社といった企業からの出資も得ています。
まずは小規模からスタート、ということでブリブールツィヒト金鉱山の処理プラントを再建し、2017年に廃棄物集積場1カ所での“採掘”を開始。初期投資額は10~15億円と見込まれています。閉山まで発生した廃棄物や選鉱くずは巨大な山のように積み上げられています。いわゆる“ゴミ”に含まれている少量の金を取り出すことに着手する計画です。かつては捨てられていたものでも、今の技術で金の採取が可能だということです。なお、1tあたりのゴミから採れる金は0.01オンス(0.03g)と見込まれています。
いずれは図書館や大学で自分たちの名が付けられた建物ができるようになりたい、と夢を語るビルジョーン兄弟。どの程度のリターンが出るのか要注目の案件です。
2008年当時、DRDゴールド社による同鉱山のプロモーション動画